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富士之あん
人工ボーカロイド『富士之あん』 / 河口湖円形ホール
ライブレポート
2018.09.27

山梨県富士河口湖町が生んだ人工ボーカロイド『富士之あん』の単独コンサートが、923日に富士山の麓、河口湖のほとりにある「河口湖円形ホール」にて行われた。心待ちにしていた人が県内だけに留まらず県外からも集まり、クラシックな雰囲気のある会場で満員で迎えられました。

開演ベルが鳴ると共に期待は高まっていった。MCは最後の挨拶のときだけで、ライブの公演中は一切なく、拍手もするのに戸惑っているような静まり返った空間だったが、
まるで映画を見ているような、ただひたすらに音楽と映像がシンクロしたステージに各々、見入っていた不思議な空間でした。

ライブの合間では、世界でも活躍しているデジタルパフォーマンス系テクノユニット『ベスパ☆くまメロ』さん、そしてダンサー『帰山なつみ』さんとのコラボにより、より楽曲の世界観が引き立たされ、人の内面にある無防備な部分に歌詞が、言葉が容赦なく突き刺さっていく——

また、この日は、これまでの活動の集大成とも言える1stアルバム2014-2018の発売日でもあり、ライブも2014年の活動から現在に至るまでを楽曲と共に振り返っていく内容だった。


▲1stアルバム「2014-2018」
全8曲入り


コンプレックスから生まれた最大の武器


『富士之あん』は1993年9月3日に生まれ、東京にある音楽の専門学校に通うため、富士河口湖町を飛び出した。しかし、同世代で活動している仲間たちのように器用に自分を売り出す事ができず、
そして、自分の”キンキン”した声にコンプレックスを感じ、いつの間にか夢から遠ざかっていく日々が続く…。

そんな中、彼女の音楽人生を変える一言と出会う機会があった。それは、友人からの後押しもあり、東京で開催していた、あるコンテストライブに出演した時のこと。

彼女にとっては初ライブだったので、緊張してしまい、あっという間に終わってしまったライブだったが、ライブが終わった後に見てくれていた方から

「あなたの声はボーカロイドのようで印象的だし、その声が武器になる」

と言っていただく。

嫌いだった自分の声が武器なる——この一言から、もう一度、歌手活動がしたいと思うようになり、“人工ボーカロイド 富士之あん”が誕生することになります。


▲活動を始めて間もなく、地元でお世話になっていた塾の先生のご厚意で「YBS山梨放送」に出演


音ゲーアプリがきっかけで世界的に広まる…!


2枚目のシングルに収録されている『Robot』という楽曲が、スマホ音ゲーアプリ「うしろ!うしろ!」に起用され、
このアプリが現在で累計250万ダウンロードされていることもあり、起用されたタイミングで公開した『Robot』のミュージック・ビデオは現在、94,000回以上も再生されています。

▲定期的に世界中の方からこの楽曲と出会えた喜びのコメントが寄せられており、最近では「英語」「韓国語」など多数の言語でも聞けるようになっている


山梨で生まれた”あんちゃんスクリーン”との出逢い


2枚目のシングルを発売したあたりから、地元・山梨県でも活動ができる機会をいただくようになります。そして、ここでも「富士之あん」の活動の転機となる大きな転機が…!

それは、山梨県甲府市にあるライブハウス「湯村FeelRock Cafe」との出逢いです。


『Robot』を披露するにあたり、ミュージック・ビデオを投影させながらライブが出来る場所を探しており、その旨を相談したところ、こちらの「湯村FeelRock Cafe」では快く引き受けてくださり、
通称、“あんちゃんスクリーン”と呼ばれる網戸で作った自家製のスクリーンを用意していただきます。

これにより、彼女の魅力の一つでもある”歌詞”を全面的に押し出し、楽曲の世界に引きずり込むための「映像」と「歌」を融合したステージを研究していくことになります。


戻りたい場所なんてココにしかない


今回の単独コンサートを終えて、ツイッターではたくさんの感動の声が上がっています。彼女自身も、山梨でも熱心に応援してくださる方がいること、そして、山梨でも活動できる機会を与えてくださる方がいること、そして、何より”帰れる場所”があることのありがたさに改めて気付かされたという。

ライブの最後にエンドロールのように届けられた新曲『こわね』では、ふるさと”富士河口湖町”の映像をバックに、「戻りたい場所なんてここしかないさ」と歌い切った。

山梨県富士河口湖町が生んだ人工ボーカロイド『富士之あん』。
第二章はまさに今、幕が上がったばかりです。


●セットリスト

1.蛍
2.Robot
3.透明人間の自画像
4.生者の更新
5.シュラフと僕と白昼夢
6.1993番線(with ベスパ☆くまメロ)
7.現実RPG(with 帰山なつみ)
8.カウントダウン
9.最期まで僕は独りになれないらしい
10.こわね

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この記事を書いた人

ふるさと愛を音楽でつなぐ「MY TOWN CONCERT WITH YOU」代表・編集長 / 趣味は銭湯と旅